仮想通貨FTX破綻にみる 流行、外面で信じる怖さ

2022年12月4日

暗号資産(仮想通貨)取引所FTXが先月
米連邦破産法11条(チャプターイレブン)
にもとづいた破産申請を行ったことを発表しました。

米連邦破産法11条とは日本の民事再生法に
相当し、裁判所の命令で債権の取り立てが
停止、原則120日以内に再建計画を策定します。

清算型の手続きと異なり、事業継続が前提
となるので新たな支援先を得て再建される
可能性が高いです。

とはいえ、10万人以上いると言われている
債権者は出資額の5~10%しか返還されない
見込みで、

さらに仮想通貨FTS購入者は、この騒動に
よる含み損(たった2価格が1/10に)
によって大損害を被っています。

FTXは多彩なコマーシャル戦略で信用を
得ていました。今回の破綻騒動は、その
信用がいかに虚構であったのかが表面化した出来事でした。

信用するという事は裏切られた時に必ず
損害がでます。
その損害はお金だけでなく
心の傷になる事もあります。

FTXの破綻から安易に信用することが
いかに危険なのかを検証してみます。

 

・カリスマ経営者が設立したFTX

参照元:ウォールストリートジャーナル 

FTXを設立したのは
サム・バンクマンフリードさん
経歴とプロフィールは以下の通り

1992年3月6日生まれ (30歳/2022年現在)
カリフォルニア州出身
スタンフォード大学の法学部の教授の息子
マサチューセッツ工科大学卒業
大学在学中に投資会社など3社を経営

効果的な利他主義(Effective Altruism)
と呼ばれる思想の持ち主

経歴を見てどう思いますか?

マサチューセッツ工科大学という世界有数
の大学出身で在学中に3社を経営し
効果的利他主義の思想・・・

彼が経営者の社員だったら
一生ついて行きます!!
とか言っちゃいそうですね

経歴もそうですが、利他主義ってところが
さらに何かをやってくれそうでいて、そし
て彼の経営する会社は顧客を泣かすような
ことはしないって信用してしまいますよね

・わずか2年で有数の企業に

彼の経歴も、行動も、実績も信用するに値
するものだったのもあったでしょう。

FTXは2019年という暗号資産の交換業者
としては後発にも関わらず同業他社の買収
を通して規模を拡大、急成長
しました。


フォーブスによると創業からわずか2年後
2021年の彼の昨年の保有資産は

265億ドル(約3兆円)

Facebookの創業者マーク・ザッカーバーグ
を超える資産拡大とペースで天才経営者の
名をほしいままにしていました。

経歴が優秀で行動力もすごく短期間で実績
も残している、信用するに値しますね。

・多彩な寄付行為

さらにサム・バンクマンフリードさんは
多数の寄付も行っていました。

金融業の職についている時すでにその年俸
のかなりの部分を慈善活動につぎ込んで
いました。

そして彼は
ギビング・プレッジ(Giving Pledge)
にも署名しています。

ギビング・プレッジとは、ビリオネア
(10億ドル以上の資産をもつ人)が半数
以上の資産を慈善事業に寄付すること
を誓うものです。

米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏
と妻(当時)のメリンダ・ゲイツ氏が
ウォーレン・バフェット氏とともに
超富裕層からの寄付を促すために設立したものです。

また、医療分野や動物福祉などの分野でも
寄付活動を行っており、FTXの収益の1%を
注ぐ非営利団体「FTX基金」を設立
していました。

こうした寄付行為を見ていても彼の奉仕的
な精神がFTXの信用にも繋がっていた

思われます。

そんな彼が口癖のように言っていたセリフ
「僕の目的は効果のある寄付をすることだ」

数多の寄付行為の実績と共にあるこの言葉
ますます彼を信用したくなりますね。

・多彩なコマーシャル活動

FTXはアメリカ国内外のスポーツ関係者と
の間で大型スポンサー契約を行っていました。

NBAマイアミ・ヒートの本拠地スタジアム
ネーミングライツ
契約によりFTXアリーナ
に改名したり

F1のメルセデスAMG F1チームのスポンサー
となりステッカーが車に貼られていたり

NFLタンパベイ・バッカニアーズの
伝説的選手トム・ブレイディ

NBAゴールデンステート・ウォリアーズの
ステフィン・カリーの他

大リーガーの大谷翔平選手やテニスプレイ
ヤーの大坂なおみ選手のスポンサーなど
多数の有名人がアンバサダーとなっていました。

これだけ多くの広告料をかけられる会社が
まさか潰れるとかは大半の人は予想できな
いと思います。

・経歴も行動も実績も完璧に見えたが・・・

創業者であるサム・バンクマンフリード
さんの経歴、行動力、思考、実績もあり
何もかも順調に見えたFTXですが突然破綻します。

2022年11月8日、FTXの流動性が逼迫した
との観測がなされ、同業のバイナンス・
ホールディングスが買収するという
ニュースが流れたが

翌日、バイナンス側は買収の撤回を表明

伴いFTX独自の仮想通貨トークン・FTTは
大暴落し、11月8日午前の時点で3200円台
で取引されていたトークンは、2日間で
10分の1前後にまで下落
して大混乱となりました。

暴落するたった二か月前の9月10日時点で
8700円、そこからじわじわと下げていたの
でここ何かの予兆はあったと思われます。

他の仮想通貨も軒並み下落。。。
投資は心情といいますがホント値動きが
如実に現れてます。

・相次ぐスポンサー離れそして訴訟

当初、メルセデスはFTXのロゴをクルマ
などに残すとしていたが、翌日に撤回し
パートナーシップ契約を停止

命名権契約を交わしていたNBAマイアミ・
ヒートは「FTX社」と関係を解消すると
発表。それに伴い、ホームアリーナの新た
な命名権パートナーを募集すると報道されました。

負債は
100億~500億ドル(約1・4兆~約7兆円)
上位債権者50人に対した債務だけでも
31億ドル(約4100億円)と言われています。

また、社の宣伝に関わった有名人にも
賠償責任があるとして投資家らが

CEOバンクマンフリード氏に加え、
米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平選手や
女子テニスの大坂なおみ選手らを
米南部フロリダ州の連邦地裁に提訴しました。

広告塔になった有名人は彼らの知らない所
であったので、恐らく賠償責任は無いと思
われます(日本でも同様の裁判で責任なし
の判断が出ている)が、有名人の広告のみ
で信用する怖さ
をまざまざと見せられました。

・人も投資も絶対はない

こうしてみていくと、一つの会社に資産を
投資するのは怖い
です。

創業者の経歴、思考、行動力などが完璧で
さらに有名人が次々と宣伝するとなると
信用するなって言う方が無理です。

しかし、投資に絶対はありません

企業でも山一証券、マイカル、日本航空、
タカタ、リーマンブラザースなど、
「大丈夫」と思った企業が倒産しています

仮想通貨であれば分散投資、企業であれば
株は分散投資、自分が社員であれば依存し
すぎない
以前ブログで書きました。

人も同じです、盲信せずに距離を考える。
人がやる事にも絶対はありません。
盲信するのもされるのも危険です。

今回のFTXのような騒動を他人事でなく
自分事に考える
事によって、人生における
リスクも回避できます。

世の中の出来事を自分事にして学びましょう。